映像が浮かぶ読者の心を動かす具体的な文章を書くにはどうすればいいか?
頭に浮かんだこととか、つらつらと書いていると、
なんだか「ふわぁ〜っとした文章」になってしまうこと、ありませんか?
とくに日記とかエッセイを書いていると、
気づいたら「〜だと思う」みたいな文末表現を連発してしまっていて、自分の考えや想い・感情ばかりの文章になってしまう。
実はそういった「想いの文章」って、読者にはイメージしずらい文章だったりするんです。
中央寄せややたら改行の多い、詩的な文章にありがちです。
あれね、まったく伝わってない可能性がありますよ。感情移入しにくい文章になってしまっているかもしれません。
こんにちは、のざき寿(ひさし)と言います。元お笑い芸人です。
書き手は頭の中にイメージがあるわけですから、ふわぁ〜っとした文章でも理解できるんですよ。
一方、読み手側からすると、考えや感情だけの文章って掴みどころがないんです。
あることを意識しないと、そういった文章になってしまいます。
そのあることというのは、
「具体と抽象を使い分ける」ことです。
ふわ〜っとした文章は、抽象的な表現が多く、
わかりやすくて伝わってくる文章は、きちんと具体的な描写や表現があります。
具体的なことをきちんと書けるかが、映像が浮かぶ文章において重要だと思っているんですね。
文章では具体的と抽象的を使い分ける
ただ、抽象的な文章が絶対的に悪いわけではありません。
- 抽象を上げると、本質に近づいた文章になります
- 具体を上げると、映像がイメージしやすい文章になります
つまり、どちらにもメリットがあるわけで、
具体と抽象を使いこなすことが大事というわけです。
抽象とは?具体とは?どんな考え方?
「具体と抽象の使い分けが大事だ!」
お伝えしてますが…

それを具体的に説明してくれよ!
ってことですよね。
わかってます。ちょっと頑張って説明してみます。
抽象的な思考とは?
たとえば、職場・会社には「企業理念」ってありますよね。
世の中に貢献する
たとえば、こんな理念があったとします。
これはどうですか?具体ですか?抽象ですか?
そうですね、抽象です。
貢献とはなんななのか?
どんな貢献をするのか?
具体的なことがわからないですよね。
そこで抽象的な概念に、いくつかの疑問・質問をぶつけてみます。
- 世の中とは、ドコのことを指しますか?
- 貢献とは、たとえばどんな行動のことをいいますか?
- 誰に対しての貢献なのか?
- 何で貢献するのか?
つまり抽象は、受け取る人によって解釈が変わってきてしまうんですね。
具体的な思考とは?
世の中とは、日本国内のことかもしれないし地域のことかもしれない。海外を含めた世界全体でもいいですね。
おなじように貢献も、人々の暮らしを豊かにすることが貢献とも言えるし、社会課題を解決することかも貢献です。
抽象に疑問・質問をぶつけたことで、具体的にイメージができるようになってきました。
抽象的な文章を具体的な文章にしてみる
では、さきほどの企業理念を具体的な文章に書き直してみます。
世界の人々の暮らしを豊かにするために低価格で高品質な商品・サービスを提供し続ける
どうでしょうか。
抽象的な企業理念が、かなり具体的になりました。
具体的な文章の落とし穴

じゃあ、全部具体的な文章で書いたらいいの?
ところが、落とし穴があります。
具体的にし過ぎると、逆に本質からは遠ざかっていきます。
具体的にしすぎた結果、自由な発想を奪うことがあるんです。
具体的なことばかりだと窮屈になる
さきほど具体的にした企業理念。
世界の人々の暮らしを豊かにするために低価格で高品質な商品・サービスを提供し続ける
さらに具体性を上げてみますと…
日本の人々の暮らしを豊かにするために業界最安値の電化製品を作ります
日本・業界最安値・電化製品と限定されてしまいました。
こうなると、それ以外考える余地がなくなってしまうんです。余白がない。
要するに、具体性は可能性を潰してしまうこともあるんです。
文章で言えば、読者のイメージを限定してしまうことになります。
なので、具体と抽象は使い分けることが重要なんです。

なんか、ややこしいなぁ〜。
なのでぜひ、この本を手に取って「具体と抽象」の概念を知ってほしい。
確実に、文章に役立つ考え方です。
文章を書くことにかぎらず、人とのコミュニケーションにおいても役立つ知識です。
ふわぁ〜っとした抽象的な文章を具体的にしてみよう
介護職員は優しさが大事だと思う。
利用者さんに喜んでもらう気持ちが大事。
自分は利用者さんに優しく接することができているだろうか。
今日は忙しかった。忙しかったから利用者さんと話をする時間がほとんど取れずに、喋りかけられても返事すらすることができなかった。
介護職員は優しさが大事と言っておきながら、まったく優しさのない行動ばかりで、自己嫌悪に陥った。忙しさのせいにしてはいけないと思った。忙しいかどうかは、利用者さんには関係のないことだから。
一見、書けているように見える文章でも…
読み手はイメージができないんです。
ですから、
- 利用者さんとは誰のこと?
- 〇〇さん
- いつ・どこでそう思った?
- 昼どき、入浴介助をしているとき
- 優しさが伝わる具体的な行動ってなに?
- 笑顔で接すること
- 何をしたら利用者さんに喜んでもらえる?
- 目線を合わせてきちんと話を聞く
- どう忙しかった?なんで忙しかった?
- 一日中フロアを走り回っているくらい忙しかった
- ひとり介護職員が休んだから忙しくなった
- 優しさのない行動とは?
- 利用者さんの立ち止まって話を聞くことができない
- 他の職員への口調がキツくなる
- 忙しさのせいでなければ何が原因で優しくなれなかったのか?
- 自分のスキルや感情のコントロールに原因がある
抽象的な一文の後に具体的な描写を書き加えると、情景が浮かんできてわかりやすい文章になります。
描写が読者に伝わると、読者も感情移入しやすい文章になるんです。
書き手はまず、頭の中で映像を描きます。
その映像を絵に描くようにして言葉で表現していきます。
文章は「言葉で絵を描くこと」だったんです。